インピーダンス・マッチングという本

感想

2000円もするので、一般の人が買って元が取れるという感じはあまりしないけれど、それなりに面白い本だと思う。
この本の良い所は、技術と感情を完全に分離していない所がうまい。所が残念な所があって、説明されている技術に対してあまり踏み込んでないのです。5−6個の技術の説明があるけれど、私から見て解説に成功しているのは1つだけ、ある程度の説明が出来ているのが1つです。後はまぁ、雰囲気だけしか伝えていません。(成功事例は:発信機の原理と、デシベルの説明です)
例えば、マイコンの入力端子不足の問題では抵抗の値の取り方も説明していないし、そもそも1MΩなんて論外でしょう。こんな所でページを使って欲しくないし、このレベルで喜ぶような人が・・・・という気がしないでもない。
もう1つは、この程度の経験で人に出す製品を作れるのか。という部分。物語の為だろうとは思うけれど、それでもおかしいように感じる。
ストーリの流れはそれほど悪くは無いと思います。ただ最後の方はもう少し主体性の無い、下っ端の仕事をこなしている方が現実感があるように思えます。
逆に技術的な説明をもう少し増やして、絵も増やして、少なくとも素人が読んだ時に、不思議の国のアリスのような感覚を味わえる方が良いと思います。

オンデマンドブックについて

これが届いてまず思ったのだが、本当にうまく本になっている。以前見たような「コンピュータで両面印刷しました」すごいでしょ。という感じではなくて、文字は活字に近く、紙質は普通の本に使われているような色で、製本も非常に美しく、表紙が厚手の紙を使っていて、しかもカラーで実にきれいです。ただ12ポイント程度の文字で160ページという構成で2000円はちょっと高く感じます。
確かに本というのは、本という形で無いと雰囲気は出ない物かもしれません。それでもPDFで売ってもらえれば、値段も半分ぐらいになるだろうし、頼んでから1週間もかかるという事にはならないと思う。