池田信夫 blog IPアドレスは枯渇していない 追加

私はちょっと違う感想を持っているんです。IPv4が枯渇するという問題に関しては、IPを持つことのコストを上げればすむ話だと思います。それは既存利権を売るのではなく、持っていると金がかかるから、手放すように仕向けるのです。土地税みたいなものと考えてください。
しかし、もう1方で技術的に解消しようという方向があってしかるべきで、その案の1つがIPv6だろうと思います。もちろん、移行ステップに問題があって、このままでは進まないと私は考えています。
IPv6には良い所もいっぱいあります。特に高速回線ではウインドウサイズだとか、パケットサイズを大きくできるとか、もちろんIPアドレスが死ぬほど取れるとか、古いしがらみも多少は消えるとかあります。
問題は既存インフラへの互換性だけです。DJBの人も言っているようにDNSの拡張ももう少し考えないといけないし、IPv4との相互接続も考えないといけない。また、IPv4で行われているIPアドレスを使ったセキュリティ確保まで含めた論議をしないといけないと感じます。
このままでは、技術的に未成熟なIPv6のスペックにあわせて、強引な互換性を考えないとならないようになるか、苦労して作ったIPv6プロトコルスタックを捨てたり、無駄な機器が出来たりする可能性が、私の考えですが、発生する可能性が大です。
また、そのように考えてIPv6に対して投資をしない可能性もあります。
1.IPv6化が進まない
2.投資も進まない
3.互換性が無いから
4.使い勝手も悪い
5.ユーザーに与える利点も出てこない
で無限ループ。結果的にIPv6は拠点間を接続するプロトコルとして、昔のATMやX.25のように使われていくという話になりかねない。
ただ、私は事、ネットワークに関しては否定的な考えをしていません。なぜならば、生活に必要になっているからです。どんな問題が起きようと、一度掴んだこの便利性の前では無くなる事はありえない。
例え、IPが全くなくなっても、今あるIPを取り合って、都合の良い値段程度でコントロールされる。それで、もし、どうしようもなくなったら。IPv6だけのネットワークを使うようになるだろう。技術、政治、経済ってそんなもんだと私は考えています。